介護休暇と介護休業

親や子供に介護が必要になった場合、介護転職や介護離職をされた方の収入は4割も減っています。

介護転職や介護離職を考えるその前に・・・

介護休暇や介護休業制度をご存知でしょうか?

 

介護休暇は、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者(日々雇用される方を除く)が、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護やその他の世話を行うための休暇です。

時間単位で取得可能で、排泄、食事介助等の直接的な介護はもちろん、必要な買い物や書類の手続きを行う際にも利用可能です。

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」で規定されているため、企業側は申請を拒否したり、解雇する理由にはならないという事が定められています。

給料に関しては、各企業に委ねられているため、無給のところが多いのが実態のようです。有給が残っていらっしゃる方は、有給を使用されても良いかもしれませんね。

 

介護休業は、労働者(日々雇用される方を除く)が、要介護状態(負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の対象家族を介護するための休業です。

対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として介護休業を分割して取得可能です。

給与に関しては、企業に給与の支払いは義務付けられていないため、こちらも無給のところが多いようです。一定の条件を満たし、職場復帰を前提としている給付金ですが、介護休業給付を利用する事ができ、おおよそ月給の67%を非課税で受け取れます。

※社会保険料の負担はあります。

※介護休暇や介護休業の対象家族とは、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫となっており、配偶者の祖父母は含まれていません。

※会社を辞めた場合には対象となりません。

 

総務省の2017年就業構造基本調査によると、過去1年間に介護や看護のために離職した方は99,100人でした。

総務省介護離職率

介護開始時に正社員で働いていた方の転職率や離職率を調べてみました。

総務省就業構造基本調査

離転職割合

介護休業制度を利用せずに転職された方は24.4%、離職された方は11.0%もいらっしゃる事がわかりました。

介護転職後の働き方

また、転職された方のうち、正社員で働き続けている方は男性で34.5%、女性で21.9%しかおらず、働き方を変えている方が多くいらっしゃるように思いました。

所得に関しても、正社員のまま働かれている方が少ないため、男性においては平均556.6万円が341.9万円と約4割減、女性においては平均350.2万円が175.2万円と約5割減っています。

 

介護休業制度の利用率は、大和総研が作成した内閣府のデータによると、500人未満の企業では、20%以下と低く、500人以上の企業でも30%程度と低いことがわかりました。

内閣府規定の有無

 

高齢化が進むなか、制度の浸透や利用しやすい雰囲気が1日も早く整い、介護転職や介護離職が減る事を願うばかりです。

また、短時間勤務制度や始業終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、フレックスタイム制度等も上司の方と相談し、上手く活用する事が当たり前の社会になってほしいと感じました。

 

 

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